私たちの思うペアレント・メンターの意義

ペアレント・メンターが足立区で始まってから8年になります。よく質問されることに回答してくることで活動の意義を知ることができました。

 〇他の相談支援と何が違うの?

同じ思いを経験した親がお話を伺うペアレント・メンターとの場所は

「子どもにとってこうしたほうが良い」「親はこうあるべき」ということをいちばんに考えていく場ではありません。今の辛さや迷い、時には孤独感を吐露することができて、それが分かり合える場、あらたまった相談の場では話すことさえ思いつかない「日常のささいな悩み」を話せてしまう温度感で話ができる場・・・、そんな場であることです。

 

〇いろいろある親の会とはどこがちがうの?

まず、ねっとワーキングのペアレント・メンターは、さまざまな特性のある子を育てた親が集っています。「あの人に聞いてみるといいかも」がたくさんあります。また、行政と連携していることで、傾聴や障がいについての研修を定期的に行うことできます。それによりピアサポートに稀にある、「親どうしの関係によって、意図せず誰かを傷つけてしまう」などをできるかぎり避けるコミュニティを目指すことができます。

また学校や支援機関、家族や隣人などさまざまな人との関係性の悩みなどについて、その多くを経験してきた親とともに、捉え方や対応策などを安全に話し合うことができます。

 子どもに育てにくさを感じたことから生じる悩みは、説明の難しさ、誰かに話すことの躊躇がいつもつきまといます。だからこそ、相談する場があっても、繋がることは容易ではありません。でも、そこに相談できる場があることがとても大切です。

「何人の相談者がいるか」ではなくて、「多くの人に分かってもらえないと相談できずにいる少数の方に開かれた場がある」ことに、ペアレント・メンターの価値があると考えています。しかし、多くの人に居場所を届けることが大切なことは、ペアレント・メンター間ではいつも話題になり、その為に何ができるか考えてきました。その試みとして、コロナ禍からホームページで子育て経験を多く発信しています。

 発達障がいの支援を考える時に、「数」の理論や「ふつうはこうあるべき」は手放していく覚悟が必要と思います。

足立区は、そんなペアレントメンター事業をゆっくりじっくり育て、相談の場を開いていくことに区を上げて取り組んでくれた、温かい地域です。

ペアレント・メンターあだちは、そのような足立区と連携して、これからも自分事であった子どもの育てにくさからの悩みを持つ養育者と、あたたかな繋がりを創ることに力を注ぎだいと思います。

初年度区長報告は  稼働件数   56件

年間相談件数 39件(個別・グループ・電話の合計)

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令和3年度     稼働件数件 120件

年間相談件数 87件(個別・グループ・電話の合計)

令和4年度はもっと増えてます♪